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平成16年度第2回外来魚対策検討委員会 議事録

・参考 在来種減少の真の要因

平成16年9月9日

1. 日 時 :平成16年9月8日(水)10:00〜13:00

2. 場 所 :日本フイッシング会館8階大会議室

3. 参加者 :委員、オブザーバー、ひとけた会メンバー合計62名

4. 議  事

 

井上専務理事の進行により進められた。最初に井上専務理事より今会議の趣旨概要「環境省と釣り関係者との初めての直接懇談」と環境省上杉生物多様性企画官の紹介が行われた。上杉企画官の簡単な挨拶の後、資料の確認が行われた。開会に当たっての高宮委員長の挨拶が行われた。

「台風18号と19号の間隙をぬいまして、皆様全国からこのように沢山のご参加を頂きまして、有難うございました。ご案内申しておりましたように今回は環境省から上杉企画官をお招きしております。この経緯につきましては、先月3日に外来魚対策検討委員会が開催され、その席上、委員の方より9月、10月と外来生物の選定という非常に大事な時期に、出来れば直接環境省の方をお招きして、この外来生物法その後に出ている基本方針案、修正案、パブコメの集計、今後の方向性等について詳しくお聞きする事が出来ないでしょうかと言うご要望がございました。早速、上杉企画官にご連絡を取らせて頂いた所、8月、9月とお忙しい中、快くお引き受け頂きました。これまで、私共も何回か上杉企画官とは、やり取りをさせて頂いておりますが、まだまだ日釣振の考え方とは隔たりも有るのですが、我々の意見に本当に耳を傾けて頂ける、また真摯な対応をきちんとして頂けると言うことで、本当にありがたいと思っております。この場をかりて、心よりお礼を申し上げたいと思います。

折角この様な委員会が開催されるのですから、急遽、委員会だけでなく全国でバスに特に関心のある方にご案内を差し上げました。今日は、そう言う意味では、日本を代表するような団体とか釣り人の方にかなり参加頂いております。

また委員会としての報告事項ですが、一つは先般のパブコメの集計の結果です。詳しくは後ほど説明が有ると思いますが、個別の外来種をどうするかという意見が8,351件あり、その中で7,785件全体の93%がオオクチバスをなんとか有効活用する、そして特定外来種に入れないで欲しいと言う意見でありました。これだけ広い外来生物、植物からペット、昆虫、動物等大きなジャンルの中で93%の方がそういう大きな声を持っていると言うことで、私共も改めてこの声の大きさと共に、バスに対する非常に熱い気持ちを受け取っております。

もう一つは8月の末に週刊新潮で記事が出ました。皆様もご覧頂いたと思いますが、それに対しては早速日釣振でもその真相をホームページ上で掲載させて頂きました。麻生会長・日釣振に対して、相当の事が書かれておりましたので、当会でも心配しておりましたが、今日現在麻生会長の事務所にも日釣振のホームページ上に記事の真相という文書を出したにもかかわらず、一件の抗議、クレーム、問い合わせもありません。おそらく、ああいう記事の信憑性と言う事について、国民や釣り人の皆さんもこれはおかしいと思われたのでしょうし、日釣振のホームページ上での記事の真相等でかなりの方が事実をご理解頂けたのではないかと思っております。

今日は、直接環境省から上杉企画官に来て頂いて、バス問題に絞ってお話を伺うのは滅多に無いことです。折角の機会ですから環境省上杉企画官の話を十二分にお聞きし又日頃いろいろ考えている皆さん方の意見を多いに発信して頂ければと思います。

それではこれを持ちましてお礼のご挨拶に代えさせて頂きます。今日はどうも有難うございました。」

 

次に、上杉企画官の外来生物法及び基本方針に対する説明、事前に渡した質問事項への回答が行われた。

「環境省の自然環境局で生物多様性企画官という、何をやっているか非常に分かりにくい職だと思いますが、それをやっています。去年の7月末から新しい外来生物問題に対処する法律作りをしようと言うことで、去年の夏以降この問題に本格的に関わるようになりました。法律の作成、基本方針の作成等ここ1年ちょっと作業をやって来たというところです。今日はブラックバス問題に関心の高い方が集まっていると言う事なので、そこに話の焦点を当てながら話を進めていきたいと思っています。法律なり要旨など既にお読みになり、内容に詳しい方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ十分法律の中味を分かっていない方もいらっしゃると思いますので、最初に簡単にどういう仕組みなのかという事と、いまどういう風に法律を動かすためにどんな考え方で話を進めているのかを中心に話を進めさせて頂きます。その上で、パブリックコメントの結果をふまえて、どう考えていくのか、どういう対応をしていくのか、それから高宮副会長から頂いた質問事項のまとめに沿ってどう考えていくかをお答えしたいと思います。

環境問題というか特に生物多様性の問題はなかなか分かり難い所があるということが言えると思います。何をやれば良いのか、何が問題なのか表に直ぐに分かる話ではない。例えば公害で命の危険があるとか、食の安全みたいに人間に直ちに効いてくる話ではない。非常に時間をかけて生き物というものが子孫を作ってくる、それを全体としてどういう風に損なわないように旨く活用しながら保全していくのかというのが大きなテーマとなりますので、なかなか分かり難い点があるかと思います。こう言う所に政策的にあるいは人間の行動としてもと言う事になりますが、大きなスポットが当たる様になったのは割りと最近のことと言えます。例えば生物多様性条約という条約は1992年、ブラジルのリオデジャネーロで開かれた地球サミットで採択された。歩みとしてはほんとに最近ようやく人類的にそう言う事が認識されるようになった。地球サミットではもう一つ地球温暖化問題に対処する気候変動枠組み条約と言うものが作られているが、地球の環境を支える2大テーマがそういう意味では地球自身がどういう風に物理的な動きとして気候を支えているかと言う様な非常に大きな話と実は生き物が地球の環境を支える重要な要素であると言う2大テーマと言う事が認識された事だと思います。温暖化の方はCO2の濃度がどれ位だと言う様な議論で非常に分かり易い訳ですし生活の中で例えば電気をどれだけ使えばどれだけCO2に負荷を与えていると言うのもそれなりに理解出来るという意味では身近に分かり易い問題だと思います。生物多様性の問題は残念ながらそこで何をしているかと言う人によっての捕らえ方が全然違ったり、どういう風に動けばどういう風に反応が返って来るかまで分かり難く時間がかかると言うことでなかなか分かり難いと思います。そういう中で生物多様性と言う観点で、何をしていったら良いのかと言う事を有る程度示す為に、政府の方では生物多様性国家戦略と言う一つの計画になりますがそう言う物を作っています。これが2002年、2年前の3月に政府が決定したものが一番新しい国家戦略と言われるものですが、その中で生物多様性と言う事を見ていった時にやらなければならない、非常に問題の有る、いわゆる生物多様性に対して脅威のある原因を3つ大きくあげております。

一つは、従来から言われている話で、いわゆる開発問題です。直接自然を破壊してしまう,色々造成をしたり直接的な破壊に繋がる様な話で、従来から言われている話だと思います。

二点目が、むしろ自然というものは人間がほっておけば良いものではなくて、有る程度手を掛けて維持しなければならないものがある、里地里山と言っているものが典型例であり、雑木林はある程度間伐をしたり、枝を取っていったりと言う事で昔から人がそこの恵みを利用していっているわけですが、だんだんそういう事が無視される様になり経済的にも回らなくなって、どうなっているかと言うとそう言う所に居た昔から普通に見られた様な生き物が段々居なくなって行く。例えば絶滅危惧の恐れの有る動植物と言う物の分布状況を見ますと、何も原生地帯や都市部だけでなくむしろ里地里山と言われる所の方に分布が沢山あると分かって来ています。人と自然との関わりのあり方がすごく変わって来たことがインパクトがあると言う事が二つ目です。

三つ目が、元々そこに居ないものを持ち込む事で生物多様性が変質してしまうという問題点です。これが大きく二つあるのですが、一つは外来生物の問題、そこに元々居ない生き物を持ち込むという問題ともう一つは化学物質、環境ホルモンの様に元々そこに存在しなかった物質が入る事で問題を起こすと言う問題がある。

3つの大きな問題があると話しをした訳ですが、第一の問題に付いては開発規制と言うものは法律的な制度の仕組みから見ると、有る程度やられて来ているわけです。例えば保護を図るべき箇所については保護区の設定をしようという動きがあります。国立公園などは保護を図る場所として確りやって行きましょうと言う仕組みが有りますし、大きな公共事業が中心ですが環境アセスメント制度と言う、例えば事業やる際にそれが環境にどういう風に問題が有るのかを事前にチェックしていく。影響を抑える様な事を事業の中に盛り込んでいく仕組みがあります。

二点目の、人の関わり方が減った事による問題。これは非常に構造的な問題でもあります。例えば過疎が進んでいる、農山村が非常に疲弊している。経済的にまず成り立たない。法律を作ってどうこうと言うよりも、その地域をどう作っていくのかという所に非常に関わりのある話かと思います。ここは構造的な問題だと思います。

三点目の、他所から生き物を持ち込んで来るということについては、なにも制度的な対応が無かった。植物防疫法という農作物にとって有害な昆虫をシャットアウトするとか、松くい虫のように特定の松の被害を防止するとかいう法律ですとか、非常に特定の分野については有ったのですが、一般的に見た範囲での外来生物をどう対処するのかというのは、包括的に見れる制度が無かったと言う現状であった。そういう現状を踏まえて、外来生物というものをどう取り扱っていけば良いのかという事についての法律を作ろうという風になって来た訳です。そういう背景が有って、国際的な生物多様性条約という国際的な目標がありますし、国内を見てもそこにやるべき事がやられていないと言う分野の一つが、外来生物の問題であると言う事から、法律を作ろうと言う動きになったわけです。

法律自体は、昨年は一年間審議会で議論をした結果を踏まえて、大きく考え方として三つのポイントを入れています。一つは外来生物と言うのは全部が駄目と言うのではなく、日本のように資源の無い国について言えば、全く外国から資源を入れないで生活をして行くのは非常に苦しい問題があることで、対処出来る訳ではないと言うことが有る訳ですから問題を起こすものがどうかと確りチェックをした上で、とにかく問題の有りそうなものについては管理をしっかりするような仕組みを作りましょうと言うのが一点です。

二つ目は、かと言ってそれは既に日本国内に入ってしまっているものがある。既に蔓延しているものがある訳ですが、そう言う物についてどの様に取り組んでいったら良いのかと言うことをどう考えるのかと言うことです。

三つ目はまだ日本に来ていないのだけれど、これから新たに入れようとものについては、如何するのかと言うルールがなにも無いではなかと言うのが三つ目のポイントです。

 

そういうルールをちゃんと作っていこうと。 大きくこの三つを満たす為の制度を作ろうと言うのが今回の法律の趣旨になります。

資料3−2(特定外来生物による生態系等に係わる被害の防止に関する法律)に法律の条文がありますが、これに章立てというのが有りますが、目次と言う所を見てください。第二章が特定外来生物の取り扱いに関する規制となっています。これが先ほど言いました一つ目のポイントということです。つまり問題が有りそうな物については特定外来種つまり特定をする。何でもかんでも全部と言う事ではなく、特に問題が有りそうなものについて特定をしてそれの取り扱い、例えばここでは飼養、栽培、保管又は運搬という言い方をしています。第一条(目的)の一行目に書いているのですが、ここで(以下飼養等)というとなっていますが、法律の基本用語で「飼養等」となると

飼養、栽培、保管又は運搬という言葉が全て入っていることの定義をしたことになる。そういう取り扱いについて、しっかり管理が出来る様な形での姿勢を示すのが一つの柱になっております。

二点目が第三章特定外来種の防除と書いてあります。これは第11条を見ていただくと良いのですが、被害が生じるおそれがある場合において、発生を防止する為必要がある時は防除をやりましょうという言い方をしています。防除をやると言う事は、実は生き物と言うことで見ると、ある人がそれを飼っている場合は、その人の所有物であると言うことがはっきりしますが、野外に居るものは無主物だれも所有権が無い、捕獲した瞬間にその人の物になると言う関係にあります。例えば農作物でははっきりしているのですけれど、自分の土地で作物を植えている場合にはその農民の物だと言うことははっきりするのですが、魚であれ獣であれ外にいるものについては、無主物、本来は人間が係わっていない、誰の物でもないと言うのが日本の法律の位置づけになっています。

第二章で言いました取り扱いに関わる規制に、飼ったり運んだりという、人間が能動的に何らかの行為をする。つまり所有者がはっきりしていて、その所有者がこういう事をやっては駄目ですよと言う事を規制するわけです。防除の方は、誰も所有していない、外に存在している無主物がなんらかの影響を与えるかもしれない。だからそれをどうしようかと言う事が防除という考え方になっています。防除は国だけではなく地方公共団体とか他の民間団体の方も一緒になってやれる仕組みを盛り込むという形にしています。

 

第四章が未判定外来生物ということです。これはまだ日本に来ていないが、日本に入ってくれば悪さをするかもしれない。そういう疑いの有るものについて先ず輸入を一定程度制限をし、その間に問題があるかないか判定をしようという生き物のことです。事前チェックをしようと言うことです。問題が有ると判定されたものについては特定外来生物というものになって、規制が掛かって来ますよと言う事で、問題のないと判定されたものは特段の規制はかからないと言う構造になっています。

大きい話は第二章、第三章、第四章と言う風に、この法律自体は三つの柱で成り立っていると言う事になります。

次に規制の中味ですけれども、特定外来生物の取り扱いについてと言うことで重要な条文を簡単に紹介いたします。第四条の飼養等の禁止と言うことで第五条に書いてある様な許可を受けた人でなければ飼養等をしてはいけないと言う形になっております。法律ではよくやるのですが、原則禁止で一定の要件を満たせばその禁止を解除する。第五条はその解除をする要件が書いてあるという形になっています。第五条で何を言っているのかと言いますと、学術研究の目的その他主務省令で定める目的で飼養等するものは許可を受けなさいと、主務大臣ここはややこしいのですが、法律全体は環境省が見ていますが、農林水産業に被害がある場合には農林水産大臣も加わり共同でやるという形で主務大臣になります。そういう意味ではほぼ環境省と理解していただいても良いのですが環境大臣の許可を受けなければならないということです。

次に第七条になるのですけれど、第五条の許可を持っている人以外は輸入してはいけません。税関でチェックします。その場合許可証を持っている人だけが税関を通ることが出来ますよという仕組みになっています。

第八条は譲り渡し等の禁止、売買を含めてある人からある人へ特定外来生物になったものを渡す場合許可証をもった人同士で行って下さいと言う事をいっています。

第九条は野外にそれを放すことを禁止すると言う事であります。C&Rの話があるのでここに関心が深いと思いますが、ここは飼養等、輸入、譲り渡し等に係わる外来生物だと言う事で、一般論で言っていないわけです。野外にいるものは無主物になります。誰の物でも無い訳です。それを獲ってさっと捨てても特定することが出来ない訳でありまして、この法律の思想からするとそういう飼養等、誰かが飼養するという前提になっているものについて、野外に放すことは駄目ですよという規制になっていると言うことです。今お話したことのもう少し具体的な中味が基本法新案という中に書いてあります。例えば5ページのところで第3特定外来生物の取り扱いに関する基本的な事項というのがあります。1.飼養等の許可の考え方(1)許可の不要な場合ということがありまして6ページ(2)飼養等の目的というのがありまして、どういう場合に許可が得られるかという一つの要件を書いてあるものですが、法律では学術研究の目的その他主務省令で定めるとなっていますが、学術研究以外にどういう目的を主務省令に定めて行くのかという方針がここに書いてあるわけです。ここに書いてあるのは、展示や教育例えば動物園、水族館、植物園のような一般の人に見せる目的で、ちゃんと管理してやっていく所というようなとこですが、もう一つ書いてあるのは許可規制を行うことで、遺棄や逸出等に対して十分な抑止力が働く生業という、なかなか難しい形になると思いますが、我々が想定しているものは確りと管理された釣堀みたいな所はここに入って来うると思っています。ペット、愛玩飼養等の目的は許可の対象とはしないと言う事で、個人が自分だけで楽しむと言う事になりますと、それを本当に捨てないように、ちゃんと管理してくれるのかどうかと言う事を徹底することがなかなか難しい、そういうことから個人のペット飼養は基本的には許可をしません。ただ(6)にこれに関連して、今既に飼ってしまっている人については直ちにそれは駄目ですよと言うのは、非常に難しいという経過措置的な考え方から、適切な人については引き続きその個体管理を認めましょうという事を言っています。これが許可の中味の考え方と言う事になります。

戻っていただいて基本方針の3ページに第2「特定外来生物の選定に関する基本的な事項」、一番重要なのは何を規制の対象にするのかということで、それの選び方、選ぶための手順、手続き、その考え方がここに書いてあります。

 

「1選定の前提」と言うのがまずあります。外国から来たものを何時の時点で切るのかというのは非常に悩ましい問題であります。日本は歴史的には古い国でありまして、過去からも中国大陸との交流もあった訳でありますし、過去から当然生き物は入れられていた。米自体もそうだという話も勿論ありますし、それをどの時点で切るのかと言うのは、なかなか色々な議論が有る訳です。ここは審議会の中でもそうだったのですけれど、はっきりと明確に切れる時期と言う事で、明治という時代を一つの区切りとしています。そこは二つの課題がありまして、そもそも生き物について、これは何と言う種だと言う学問的発展は、明治以降の近代西洋科学が入ってきた時代、それ以降と言うのが一つの区切りと言う事になっています。もう一つは鎖国が解けて西洋から近代化だけでなく人の往来、物資の輸出入が飛躍的に増えた時期と言う事で明治と言うものを言っています。

次に「2 被害の判定の考え方」(4ページ)ア、生態系に係わるもの、イ、人の生命に係わるもの、ウ、色々な農林水産業に係わるものと、大きく三つ有ります。これは法律の目的自体が、被害を三つの観点から見ましょうという風に意味している訳です。これは色々な所での実態の報告等を見る限りにおいて大きな観点で三つ有ると。只、人の生命について言えば、感染症の様なものは、感染症法という、それを専門にしている仕組みがあるので、そちらに委ねれば良いと言う考え方を取っている。生態系的な被害と言う物は、今までどの法律も面倒見はしていないと。農林水産業に係わる被害のうち、例えば害虫被害と言うのは植物防疫法がかなり出来ているので、そちらに委ねる事が出来る。ただそう言うことでは出来ていない分野が有るので、農林水産業もここに入っていると言う形になっている。

生態系に係る被害の中では、在来生物の捕食や競合、駆逐、植生の破壊や変質等を介した生態系基盤の損壊、交雑による遺伝的攪乱等、@からCまで一応被害としてどんな観点が有るのかと言うのを整理して、そういう問題を生じることで、在来生物の種の存続又はわが国の生態系に関して重大な事態を及ぼすと推測されたことで。なかなかこれは国際的に見てもそうなんですけれど、カチッとした数字で示す様な基準というものは中々作れないと言うのが現状です。これはそういう意味では、色々な事例を積み重ねて行く、情報を集めて行くという観点から、実際の判断と言うものをして行かざるを得ないとなって来ると思いますが、大きく言えば@からCまでの問題点と言うものが指摘されていると思います。

人の生命身体の方は、毒を持っていたりとか、かみついたりとかそういうものを中心に選ぶと言うことにしています。

農林水産業の方はただ食べると言うだけでなく、其れなりに被害を及ぼすという、重大な被害が有るかどうか、一定レベルの反復性があるとか、それなりの広がりを持つとかそう言う事を踏まえて判断すると言う事になっています。

(2)は「被害の判断に活用する知見の考え方」と言う事になります。大きく二つアとイと有る訳ですが、日本国内でも色々な報告が当然有る、そういう知見を活用している。ただ、日本国内だけでなく海外で色々言われている事が日本にも適用できそうだという事であれば、海外の知見も活用しましょうと言う事をいっています。南極で問題を起こしている物が、日本で問題を起こすとはないと言えると思いますが、日本は非常に南北に長いので、多様な気候帯に対応しています。そういう意味では、わりと外国の色々な情報で対応できると言いましょうか、適応出来る様な国や地域というものは結構広いと思います。国際的に見ても、こういう情報をしっかり集めている国はそんなに沢山有る訳ではなくて、先進国の中でようやくこういう分野の知見が集まり始めたと言う事が現状だと思います。

3.「選定の際の考慮事項」であります。考慮事項の目的を確保するのが最大の目標になりますので、選定に当たっては原則として生態系等に係わる被害の防止を第一義にします。被害防止をどう図るかと言う、被害が有る内はちゃんと対処するというのが第一義になっています。とは言え、色々な実態、その生態的な特性ですとか、あるいは被害について現状で科学的知見がどうなのか、あるいは適正な執行体制が確保出来るのかどうか、それからここはバス問題で色々な意見がある所ですが、社会的・経済的な影響がどうなのかと言う事も考慮事項として一応検討しよう。その上で随時選定するという言い方をしています。この随時というのは、例えば知見が有る時に、ある程度解決が図られれば、その段階で色々考えれば良いと言う事でありまして、経時的に5年に一回と言うのではなくて、問題が有るのであればその時にちゃんと指定するし、問題が無い事が分かれば、例えばそういう指定を外すこともある、これを随時やっていく事が中心になっている。その下に「選定の結果については、可能な限りその判断の理由を明らかにするものとする。」と修正されており、これは両方側例えばバスについて言えば指定に反対するという立場の人がいて、逆に指定してくれという立場の人がいて、判断がどういう風にされたのかちゃんと知りたい明らかにして欲しいと言う時に、パブコメから両方出て来ていたのが実態で、我々も当然必要な事と考えています。

次に選定をする際には法律上学識経験者の意見を聞きなさいと言うことになっています。これは法律文の第二条の3項と言う所に書いてあります。法律上は生物の性質に関し専門の学識経験を有すると指定されています。ここで意見を聞く者として整理がされており、アとしてどういう、生物の性質に関し、専門性を有する学識経験者の考え方として生態学、農学、医学、水産学の様なある程度利用することも含めて、農学、医学、水産学は応用系の学問でありますので、それから被害を受ける立場からとしてももちろんあるということから、そういう分野の人も含めて学識経験者を選ぶと言う事になっています。

その上で、規模の色々な分類に成りますので、哺乳類から始まって植物まで色んな分類に全部対応出来る様にしましょうということが次のイに書いてあります。

基本的には委員会形式、専門家の会合で意見を聞くという形を取ろうと思っていますが、実は分類群の分野によっては、専門家が一人しか居ないとか、限られたものが有る事から、ヒアリング形式だとか別途色々考えましょうと言う事がウとエに書いてあります。

オに学識経験者から聞くと言うだけでなく、関連する学会と言う中で色々知見を集めてくるという形になるとか当面生物を利用する利害関係者の意見も聞くことを検討するとなっている。これは必要に応じとなっているのはあまり利用者が見られないものももちろん有ります。そういう意味では全部聞くと言う訳ではないが、少なくとも色々もめている様な分野については当然関係者の意見を聞くと言うことは遣らなくてはならない話となると思います。ブラックバス問題などは、当然両利害関係者の意見を聞くと言う項目に該当すると思います。

カは修正した所ですが、適切な情報公開に努めると言うところで、例えば委員会が開かれる時は、今迄は審議会は原則公開で遣っていますが、委員会は公開でやるとか資料も基本的にはオープンにするとかを考えています。

(2)パブリックコメント手続き この間の規制をされる対象となるのが特定外来生物と言うことになりますので、そういう個別の選定に当たってパブリックコメントをやることになっています。

(3)WTO通報手続 これは直接関係無いと思いますが、国際的に貿易を制限することになるような制度なので、諸外国との関係というものが出て来ると言う事でありまして、手続きとしてちゃんとこういう制度を指定しますが文句のある国の人は言って下さいと言う様な事をやらなければならないわけです。

 

次に防除の方に移りたいと思います。7ページ以降が防除に対する考え方になります。8ページに移りますが、防除の考え方はこれまたちょっとややこしいのですが、大きく二つの考え方をとっています。一つはもう今既に野外に居るやつがある、典型的にはマングースがもう既に奄美の黒ウサギを追い詰めていると言う様な状況がもうあるというケースと、今は野外に居ないのだけれど出ると確実に危ないと言うケースと、@とAで書いているが、二つの考え方を示しています。Aの方はそれ程ついて来ないと思いますが、@の既に野外にいるものをどうしようかというのが、非常に難しい問題であります。どういう場所でどういうやり方でやって行くのかと、そのお金はどうやって確保して行くのかと言う事が非常に大きな問題でなって来ます。考え方として本来は被害が有るから被害に対処するのだという事で遣って行くと、何時までもずるずるとお金を掛けて遣って行かなければ成らない可能性が有るので、本来はそういう場所については計画的にどういう風に抑えて行けば良いのか、本来的には徹底的に完全に排除してしまうのかと言う様な事を考えながら遣って行くのが重要だと言う事になると思っています。その考え方を示したのが9ページの(3)防除の内容と言う所のア「防除の目標」と言う事を書いています。これは防除の対象となる特定外来生物の生態的特性、予想される被害の状況を勘案して、区域からの完全排除なのか、影響の封じ込めなのか、影響の低減等なのかその場所の状況に応じてそれはそれぞれ目標を考えてやって行きましょうと言う事を言っています。防除の方法についてもそれを遣る為には捕獲、採取をしたりするのか、それとも防護策の設置外に広がらない様にする或いは守るべき所に入ってもらう等色々な考え方を取る事が想定されている。地域の状況、生き物の状況に応じて考えて行かなければならないと言う事を考えています。

 

8ページの方に戻って一番上の四つ目のパラグラフがアンダーラインを引いていないが、修正をした部分で「防除の実施に当たっては、防除に係る費用及び人員を有効に活用する為、費用対効果や実現可能性の観点からの優先順位を考慮し、効率的かつ効果的に防除を推進する。」先ほど言いました目標の考え方とは裏腹な義論です。やっぱり被害の有る所では是非遣らなければならないと言う事で一生懸命やっていくと、ある程度それに必要なお金もかけようという合意は図りやすい訳ですが、そうでもない所については優先順位ということは当然出て来ることで有りまして、ここの部分は結局どれ位社会としてお金を投入してやっていくのか、或いは人がどれ位そこに係わることが出来るのかと言う事をちゃんと考えなければいけないと言う様な話であります。本当に全国的に広がってしまっているものをどういう様に扱うのかと言うのは悩ましい問題です。これはバスだけでなく例えばアライグマと言うのも全く同じでありまして、地域的に非常に広がってしまっている地域は一生懸命やろうとしているが、もう入っているのだけれどそんなに被害と思っていない地域は何もやっていない。地域によってものすごい差があります。それはどういう形でやっていくのが良いのかと言うのは、確り考えて行かなければいけない訳です。そう言う事をここでは書いています。

防除をやるのは、国が公示という計画作りと同じ事なのですけれど、この生き物についてはこんな事を考えているという公示(官報、掲示板、インターネット等)をするのがスタートとなる。その公示に沿っていることは、地方公共団体、民間団体も防除を自主的にどんどんやって欲しい、国として強制するものではないが、地域として事情に合わせて自分たちがやりたいと言う事は、国の示している大きな方針に沿ってやって欲しい、そうであれば国としても確認・認定していくと言う構造になっている。

 

9ページの2「防除の実施に関する事項」(1)緊急的な防除の方は、要請があればさっとやらなければならない訳ですが(2)は「計画的な防除の実施」と言っています。既に広範囲に蔓延している様な場合、計画を作ってちゃんとやりましょうと言うことを言っています。その際には当然ですが関係者が連携をする。地域で色々情報を集めて、それをベースに色々な関係者の合意形成を図りながら、やっていく事が大事です。尚且つ、防除である生き物をそこから排除すれば、当然生態系に変化が有るわけで、そういうものをモニタリングして反応を見ながら、防除の適切なやり方を常に検討してやって行きましょうという事をかいています。

10ページの方に移りましてアに書いてあるのが「協議及び検討の場の設置」と言うことで、それぞれの地域で防除をやる際は、関係者の合意形成を図る、或いは実施状況についても専門的見地の見解、評価をちゃんとやる形で進めることが必要ですよと言う様な事を書いている。

エに「モニタリングの実施」と言う事で、色々な状況に付きチェックをしながら、それを必要に応じて計画の見直しに反映させていくと言う事を書いています。

(3)「防除の実施に当たっての留意事項」ここはどちらかと言うと鳥獣の根幹の方針みたいな事が主として書いてあります。やり方については、適切なやり方をとにかくやりなさい。人に危害を加えてはいけないし、なるべくターゲットとしているもの以外の生物については影響の無い様にやってほしいと言う趣旨の事を書いています。

(4)「防除の確認・認定」については先ほど言いました様に自治体や民間団体が自分でやるものに関して、国に求める際の考え方を示しています。

 

次に12ページ第5 「その他特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する重要事項」1が「未判定外来生物」です。未判定外来生物は(1)「選定の前提」としてア「原則として、わが国に導入された記録のない生物又は過去に導入されたが野外で定着しておらず、現在は輸入されていない外来生物を未判定外来生物の選定対象とする。」と言う事で、新たに来るものについて対象としていると言う事で、今もめているものが未判定外来生物になることは無いと言う事です。

次に14ページの3「科学的知見の充実」事があります。今言いました様な色々な対策は勿論個別に進めるには科学的知見と言うのが必要になりますし、或いは今問題になっているものだけでなく、これから問題になるものについてもしっかり情報を集めていくと言うことが非常に重要であります。これは色々な立場の政府機関だけでなく学識経験者もそうですし、民間団体、あるいは地方自治体、夫々の情報について、色々な調査・研究を進めて集めていくと言う事が必要な事だと思っています。外国での状況も情報を集めると言う事が非常に重要だと思っております。

4「国民の理解の増進」と言う事で、外来生物の問題、実は色々な種類がいてそれに係る人も色んな人がいます。夫々の立場で何をすることが一番良いのかと言う事があまりまだ良く伝わっていないというか、法律で規制すると言うだけでなく、法律で規制するしかないと言う前に、そもそもどういうことを考えなければいけないのか。行動として何をしたら望ましいのかと言う情報が余りにも行き渡っていないのが現状だと思っています。ここは非常に重要なポイントだと思っていまして、夫々でやれることはちゃんと先ずやる。法律としてどうするかと言う以前の問題として、生物多様性という目で例えばどういう行動を取る事が本当に良いのかという理解を広める事が重要な事になると思います。これは冒頭で申し上げました様に中々生物多様性とは何というのを理解すること自体が難しい所がありまして、まだ浸透が非常に遅れている分野だと思っております。

基本方針の概要は以上のような事で、関連の深そうな所だけお話しました。

 

【配布資料の説明】

資料1−1の「パブリックコメント実施結果について」という事で、数字は書いてある通りです。個々の説明は省略します。全体として9,489件意見として来たという事でありまして、それは基本方針の案のどこにどの様な意見があったと言うのを数字で整理すると、2の「テーマ別の意見件数」と言う形で意見が出ています。裏の(2)「個別の種の選定に係る意見について」が先ほど高宮副会長が紹介があった、8,351件です。ここでは個々の種に関してブラックバスの方は@指定に反対、A指定に賛成と数を分けて書いています。

パブリックコメントの主な中味というものは資料1−2(特定外来生物被害防止基本方針案に係るパブリックコメントの主な意見の要旨)に書いてあります。多量に来て、内容的に趣旨を同じくすると思われる意見が多かった為、同趣旨のものをまとめて整理要約したものです。

資料1−3−2(個別の種について提出された主な意見の概要)は特にブラックバスや他のブルーギル、ニジマス等、個別の種に対してどう言う風にすべきだと意見のあったものについて、別途意見を整理しています。

個々にどうするのかと言うことは、今回の基本方針で決めるものでないので、今回こういう形で整理しました。大まかのブラックバスに関して言いますと、科学的データが必要、バス釣りの効用、生命の尊重、環境破壊原因論、バス定着論、他の外来魚との比較、種苗放流問題説、混獲の問題、税金の無駄、税金の徴収、時間をかけて慎重に、意見聴取という項目にまとめられた。

バスの指定に賛成の意見はバスを指定すべき、駆除の徹底を、漁業被害は深刻、予防、教育の重要性等反対の意見になっています。

 

【事前質問への回答】

当会からの質問

Q1.希少な在来生物が生息する水域などでは、外来種に限らず、環境保全に努めるのは国民としては当然です。しかし、そういった希少種に対するアナウンスが一切示されていない現状では、どこで何を保護し、有効活用出来るのかが極めて不明確です。こういった議論が進む前に規制が行われることもまた、非常に公平さを欠いた政策と言わざるを得ません。環境省としてのご意見をお聞かせください。

 

上杉氏からの回答

A.ゾーニングの話だと理解しています。これはそう言う事を明らかにしていくことは、これから考えて行かなければならないと思います。一般的な議論と言う事と、個別個体をどうするかと言う事を分けて考えて行く部分が出て来ると思うのですが、保護すべき対象がそこにいるから、そこだけと言うことではすまない問題があります。今回の法律の思想もそうなのですが、例えば運搬なり流通なりと言う所から追って行かないと、どういう風に保護すべき場所を、外から運ばれる物を見て行くのかということが出来ないだろうかと言う事があります。基本的に全体の仕組みとしてどう守るかという議論と、個別の場所についてそこをどういう風に見るかという議論があります。例えば開発の問題ですね。環境破壊による問題と維持保全の問題を両方見て、地域として総合的に対処しないと本当の環境汚染を計れないわけです。ただそれはこの法律だけでなく、予算措置の問題もそうですし、他の法律制度も含めてやって行かなければならないと思います。

 

以下、Qは当会からの質問、Aは上杉氏からの回答になります。

 

Q2.現在、環境省は4月に成立した「特定外来生物に係る生態系等の被害の防止に関する法律」に基づいて、具体的な作業をしている事は理解できます。しかし、これまでの国策等で導入され有効利用されているものも含め、ここまで多く生息している外来種に対して、環境省が生態系保全や動物保護や生命の尊厳等の観点から先ず考えなければならないのは、在来種・外来種の共存共生を図る為に何をしなければならないかという点だと思います。今回の法律に関係なく、駆除というのは、他に取るべき方法が無い場合の最後の選択であり、その前に実施しなければならない最も重要な事を環境省として忘れているのではないでしょうか。そのような観点から、今回の中央環境審議会野生生物部会外来生物対策小委員会岩槻委員長から出された、「外来生物問題に関する総合的な取組について(案)」は、国民全体への情報開示、国内外来種に対する考え方、調査の時間軸、科学的知見の収集など、極めてバランスの取れた考え方だと思います。是非、今回の法律の中で生かして欲しいものですが、環境省としてはいかがお考えでしょうか。

 

A.在来種、外来種の共存共生を図ると言うことが必要ではないかと言うご意見だと思います。在来種、外来種の共存共生は勿論あると思いますが、共存共生というよりは、この法律の趣旨は、外来種のうち問題が有るものをどういう風に扱ったら良いのかというところがポイントです。実はそれ以外のものについては、ある意味では放置されることになりかねない。外来種だから全て駄目と行っている訳ではない。ある程度絞り込んで、特定のものについてどういう風に対処するのか考えようということです。個別の場所で見て行くと、そこではバランスの取り方が非常に難しい所がある。一般論的な考え方と個々の地域の考え方と言うところをどういう風に仕分けして考えて行くかは、なかなか単純な話ではないと思っているが、外来種のうち問題(被害)が有るよというものに対しては適切に対処することが必要だというのが今回の法律制度の趣旨になっている。それをどの様に運用するかと言う事と、先ほどの1番の回答の所と問題は一緒なのですが、地域全体としてその地域が日々環境の状態をどう維持・保全出来ていくのかと言う事と、両方の目で見て行くことは必要だと思います。

 

Q3.河川のアユの食害はヤマメ、ニゴイ、河口部においてはスズキなどにも多く捕食されております。本来、河川の問題はそこに棲息する魚類構成の問題と言うより、今までの河川の管理に係わる問題の方がはるかに影響度が高いのではないでしょうか。最近は親水性の高い護岸など一部見直されてはいますが、人間の都合だけで作られた排水溝のような護岸整備、取水堰、ダム建設等は魚の自然繁殖を大きく阻害しており、その環境変化のほうがはるかに水生生物に影響を与えているのではないのか。その事に対する法整備は、環境省として充分に整えていると認識されているのでしょうか。

 

A.これは今までの河川管理のやり方の方が、むしろ問題ではないかと言う指摘だと思います。これはこの通り、当然外来種の問題以前に冒頭で言いました第一の危機の問題と言うのが当然有る訳です。全然解決がついているという状況ではないと思います。それは引き続きやらなければならない話でありまして、例えば河川法に環境保全を目的に入れるとか政府全体の色々な分野の取り組みと言うのは確実に環境保全を考える方向に進んで来ている事は間違いの無いことだと思います。ただそれが十分に満足出来る状況までに完全に旨く行っているかと考えると、まだまだ足りないところはあるかもしれません。ここは引き続き確りやっていく必要性があることだと思いますが、それをしなければ外来種の問題をやらなくて良いのかと言うと、そう言う事ではなくて、両方とも遣って行く必要性がある問題と思っている。一つの問題だけを見て行くと言うのではなく、全体で見てやるべき問題を夫々対処する。制度的に今まで外来種の問題は無かった訳で有りまして、今回初めて仕組みができたと、そこをどういう風にやっていくかという議論で有りますので、全体は勿論やらなければいけないし、外来種の問題もその中の一つの重要な要素としてやらなくてはならない問題だと思っています。

 

Q4.ブラックバスが多く棲息する湖など止水域に目をやれば、明治以前においては、ほとんどのダム湖そのものが存在しなかったこととなり、古来の自然という概念がありませんから固有種の問題は論外となるのではないか。

ダム湖はもちろん、自然湖においては多くの場合、非常に貧相な魚類構成であった湖がほとんどでしょう。新しい漁業法の制定により一部大きな湖を除き、第5種共同漁業権が与えられ管理されるようになりますが、その管理の基本は、本来、内水面の豊富とは言えない魚類資源をいかに管理するかということが視野にあり、アユ・ワカサギなど遊漁の利用を視野に入れた放流事業が盛んに行われ、今の魚類相になったことは承知のとおりです。つまりここでも固有種ということにこだわると多くの魚を排除しなければならなくなるのではないでしょうか。

 

A.そもそも固有種というよりも、今の自然水域自体に放流されている魚というのは、例えば国内移動という観点も含めて、固有種ではなくなっているのではないかと言うご指摘だと思います。これは本当にその通りだと思います。今の魚類層自体が生物多様性保全上に本当に望ましい姿なのかどうかと言うのはかなり色んな議論が当然有り得ると思っています。魚類学会の議論を聞いていても、国内移動の問題に問題点があるという言い方がされています。アユ、ワカサギの問題を生物層の面で見る、或いは生態系と言う風に単純に見て行くと言う事よりは恐らく漁業問題で見て行くしかないと思っています。ここはまた、ある水面の利用をどうするのかという利用調整の問題でも有る訳です。漁業的な利用ということ。従来の日本人の食生活に非常に係りの深い魚を取って食べると言う前提で漁業は成り立っていたわけで、そういう事をベースにその地域の水面の利用というのはどう有るべきかと言う事を本当は確り考えて行く必要性がある問題だと思います。ただそこが今までのやられてきている利用を、今後、例えば今後出来る魚類層の観点からどういう形が望ましいのかと言う議論がまだ十分されている状況とは思いません。これは例えば水産庁サイドがどう考えているかと言うところは、なかなか環境省としてどうだとは言い難い所が有りますが、問題認識といいますか問題意識は当然出てきている訳で有りまして、何でもかんでも駄目だと言う訳ではないと思いますが、何でもかんでもやって見れば良いということでは無くなってきている。そう言う方向性に来ていることは間違いが無いと思います。

 

Q5.食害が問題視されるワカサギにいたっては、多くの湖では明治以降に入れられた移入種であり、その湖の固有種ではありません。つまり、多くの水域では固有の生物相という観点では除外される魚となりますが、どのようにお考えでしょうか。

一部漁業権を与えられた湖では、その遊漁収入で他の漁業権魚種を放流し資源維持に役立てています。そもそも人の手によって魚類構成された湖では、固有種という考え方はすでにできず、いかに管理していくかは、遊漁等の利用状況を見据えて正しく判断されるべきではないでしょうか。

ブラックバスだけを排除する方針は遊漁の利用を無視した第5種共同漁業権漁場の本来の姿からかけはなれた考え方と感じます。まして、固有の生物相に被害を与えるという考え方は、今までの内水面行政が漁協とともに行ってきた膨大な放流事業そのものをすべて見直す事になるのでしょうか。

 

A.ワカサギ等、生物そうという観点については、前述の回答に準じる。

今までの内水面行政が漁協とともに行ってきた膨大な放流事業そのものをすべて見直すかどうか、これは今後大きな議論にはなりうると思います。ただ内水面漁業自体をどうすると言うのを、私の立場からストレートに言うのは非常に難しいのですが、生物多様性保全という事で例えば国家戦略の中で水産庁がどういう事を書いているのかと言う事は、見て頂くと良いのですが、従来ベースの話でずっとそのままで良いという風に必ずしも皆認識している訳ではなく、必要な対策は何をしなければならないのかは、ちゃんと考えて行きましょうという事を言っています。ただここは整理がまだ十分出来ていない。どういう場所でどういう種類で利用して行くのか言う事をこれから考えて行かなければならないと言う話は有りうると思います。正面からそれを議論する場は全然ないと言うのが現状だと思います。

 

Q6.今回のパブリックコメントでは、個別の種に関する意見8351件の内、ブラックバスの指定に反対または指定に対し配慮を求める意見は7785件(93%)で、ブラックバス、ブルーギル、ニジマス(外来マス類)、雷魚等外来魚全般192件を含めると95.5%にのぼりました。そのパブリックコメントをうけて、基本方針(案)の何らかの変更が行われたのでしょうか。また、今回のパブリックコメントで、あらためてバスに対する関心の大きさがご理解いただけたと思いますが、今後の特定外来生物選定の過程で、それらの意見はどのように生かされるのでしょうか。

 

A.パブリックコメントの意見と言う事で、ブラックバス反対の意見の数が多かったと言うことです。個別の種類については、基本方針にはそう言う意味では反映すると言う事は基本的に無い訳で、一般的な法律全体の運用をどうするのかという方針なので、ただ幾つか当然パブリックコメントで出た意見に沿って修文する事が適切なものを直している。かなり直してきました。

今回のパブリックコメントの意見自体は、数が多いからどうだと言う事ではないのは事実ですが、かといって数が多いという事を我々は事実として十分認識している。そう言う事が、これからの選定の過程で行かされるかどうかと言うと、勿論例えば基本方針でこれだけ来ましたよと選定の専門家会合等で情報をインプットしていく事は出来ると思います。逆に言うと今回色々と出して頂いている意見がかなり集約されている意見と言うことであれば、全く同じ事を繰り返す必要は無いはずでありまして、こんな意見がこういう風に有りましたということは反映、と言うよりは意見としてこう言うのが有りましたよということを出して行くと言う事になると思います。

 

Q7.環境省は、今回の方針(案)9条の中で、「キャッチアンドリリースは規制の対象とはならない」と明確に記載されています。しかし、これまでの説明とは異なり、パブリックコメント資料の解答欄の中では、「一部の県や地域が実施しているリリース禁止を、防除の一環として条例等で指定するのは、今回の法律とは矛盾しない」と述べています。今後、国が自治体に対し、そのような見解を持っているとするならば、これは法治国家として大きな問題があると思います。

 キャッチアンドリリース(もともと生息していた魚をそのまま元に戻す行為)を条例等で禁止するということを、環境省が是認するという事ならば、これは法の精神の根幹を根底から覆すものになると思いますが、その点について、環境省はいかがお考えでしょうか。

 

A.キャッチアンドリリースの所ですが、条例で禁止している或いは内水面漁場管理委員会の指示で規制しているところが何県かあると言うことと矛盾するのではと言う事ですが、法律上はさっき言いました様に、無主物で有るものを捕獲してすぐ放つと言うのは対象行為でない、法律上それを規制対象として捉えることは難しいという前提がありまして、9条ではそういう事を対象とはしませんと言う事をはっきり書いているわけです。キャッチアンドリリース自体を地域の方でやるやらないと言うことは地方自治の議論で有りまして、国としてそれを良い悪いと言う立場にないと言うのが我々の立場です。それを地域としてどう考えるかと言うことはむしろ地域の中で議論して考えてもらうのが良いのではと思います。実は外来生物法の方で見ますと、さっき言いました大きく三つのポイントがありまして、取り扱いの規制の、規制の部分と防除の部分が有りますよと言う話で、キャッチアンドリリースと言うのはどちらかと言うと防除の部分だと我々は認識しています。つまり誰の物でもない無主物を一旦獲って、それをどういう風に扱うかと言う議論で有りまして、獲ったものをその人が自分の所有物として運び出した瞬間、規制の対象となるわけです。運搬してはいけないと言う事を言っているわけです。或る湖からこちらの湖へ持って行こうと言うのは当然規制の対象となるわけですが、ここの湖で獲ったり放したりしている限りでは問題無いわけです。むしろそこでゴールを選ぶべきかどうかと言う議論で、防除すべき所で、或る意味で防除したいと思っている主体が本来は釣り人に協力を求めて、防除を進めたいと言う手段としてキャッチアンドリリースをどう考えるかと言う事ではあると思います。法律上と条例上という法と法の関係で言えば、規制対象がどうかと言う矛盾は全く無いということです。防除をどう進めるかという地域のむしろ個別の状況が議論としては存在している。キャッチアンドリリース自体をどう考えるのかと言う議論が別途有ると思いますが、全く私の個人的見解になりますが、そもそも強制的に一律に義務付けるものかどうかと言う事は私個人はかなり疑問を持っています。むしろ協力してやる、この場所では是非一緒にやろうと言う所では、それは一緒にやる話だと思います。そういう意味では防除の優先順位の度合いにどう結びついているのかと思っています。

 

Q8.ブラックバスやブルーギルなどの有害性を語られる時、宮城県の伊豆沼や京都府の深泥沼の話が良く例として挙げられますが、いわゆる釣り場として各地にある水域では、明らかにブラックバスの個体数の減少が見られます。メディアの報道や学識者の資料では前述の水域の話ばかりで、この偏った一部の報道によって釣り人側からの反発が見られることも事実です。

また、ビワマスやイワナ、ヤマメなど、在来種の中心も、魚食性の強い魚種は数多く生息しています。外来種だから悪いのですか。それとも、魚食性が強いから問題なのですか。

予め、バス=害魚の先入観から議論が進められているようですが、今後、釣り人からの意見を募集するような機会はあるのでしょうか?環境省としては、この辺りをどうお考えでしょうか?

 

Q9.特にブラックバスの場合では、釣り人側の意見として、養殖・放流などを行っている第5種共同漁業権による認定湖や釣堀を除くと、ほとんどの場所では明らかに年々釣れなくなっている、明らかな個体数の減少が見られます。つまり、河口湖など増殖が行われていない場所を除くと明らかに減っている、というのが釣り人側の意見として大勢を占めます。しかし、マスコミなどでは今でも繁殖を続け、在来種を食い尽くしている、と言われております。この辺り、環境省としてはどのようにお考えでしょうか? また遊漁者からの漁獲データなどを参考に検討された機会はあるのでしょうか?

 

Q10.また、釣り人の意見としては、ブラックバスは人気魚種として、地域によっては第5種共同漁業権免許を取得し、釣り場として漁協が管理して行きたい、残していきたいと切望する声が多数あります。それは漁業免許が公布されていない水域においては、明らかな個体の減少が見られるからです。こういった現状を環境省として把握していらっしゃいますか?

 

A.[上記の8、9、10の質問の回答]

以下釣り場として、各地にある水域でブラックバスに対する減少が見られるというのが幾つかありました。これは要するにどう見るかと言うことなんですが、現状を現状として見るのであればそういう事なのかも知れません。例えば遊魚者が漁獲データを例えば取るような事をしないのかと。そういうデータをキッチリと出して頂くのは非常にいい事だと思います。ただ釣り人の感覚で書いて頂くのは困ってしまう事があります。これは漁業者の感覚ではと言われるとこれも困る訳ですけれど。例えば、或る所でこれだけの人がいつ釣に行って、これだけの量をと言うデータを取るのは実際難しい事だと思います。別の議論をしますと鳥獣保護法という法律がありまして、狩猟をするわけです、獣のほうですが、これは実は報告をしてもらっています。何処で狩猟をして何時なんて言う獣を、雄雌何匹獲りましたと言うのを報告してもらい、それが基礎データとなっています。狩猟者の報告してもらったデータで、むしろ何処にどれ位の鳥獣がいるのかと言う基礎データとして使っているケースがあります。そういう意味では釣りも同じようにデータを集めてきて出せるようにすると言う事が出来ると良いのですが、中々難しいのは釣り人の組織化という事を考えた時に、なかなかそこまで義務化するのは難しいと思います。個人で楽しんでいるだけでと言う人が殆どだと思いますので。そこは限定つきである一定の範囲内の人達は、定期的にどこどこの湖でどれぐらいの人が何時行って何ていう魚をどれ位獲ってきているが。毎年これ位減って来ていますという定期的データあるのであれば、非常に面白いデータで使えると思います。

 

Q11.法律の中では、移動禁止などが盛り込まれていることで、関係者の間で、釣堀などの施設では指定種は利用出来ない、という解釈になってしまいます。この辺りについて、具体的な説明をお願いします。

 

A.釣堀などの施設では指定種は利用出来ないと言う事が書いてありますが、これは先ほどちょっと説明致しましたが、法律上原則禁止だけれどもきちっと管理が出来るかどうかで見て行くと言っています。利用目的の中に生業の位置みたいなことを一応入れようとしています。これはカチッと本当に外に出さないように管理が出来るかどうかと言うことが重要なポイントとなるのですが、そう言う事が出来るのであれば、当然許可の対象にして良いのではと考えています。そういう意味では釣り堀と言うものが、どれ位管理が出来るのかと言うところが問題だと思います。そう言う事さえやれば、出来ないと言う事ではなくて、やり方を確りしましょうと言う事であります。他の農業で今揉めているのが西洋マルハナバチと言うハチなのですが、これも同じような議論が有るのですが、これはトマトの施設園芸、ビニールハウスの中でハチを飼うのです。逃げて行ったら出来ないので、逃げないように網を被せてやれば良いのではと言う議論を片方でしていて、何でもかんでも外来種の悪いやつなので兎に角徹底的に日本に一匹たりとも入れてはいけないとか言う極端な議論をしているのではなく、現実にちゃんと管理して問題を起こさない様に出来るのでしょうかと言う所が一番大事なポイントです。

 

Q12.週刊新潮の記事の件で、桜井新議員が「ここまでブラックバスの生息地が拡大してしまったのは、バス釣り関係者らによる違法な密放流が原因です。密放流するためのバスの養殖場まであることが我々の調査でわかっている」と言われたと記載されております。これが事実とすれば、環境省の現在の立場としても、重大な発言だと思われます。事実確認等は行われたのでしょうか。密放流の温床という事が事実であるならば、即刻公表すべきではないでしょうか。

 

A.事実確認の話は環境省としては、よく分からないと言うしかないと思います。この桜井議員が発言されている所に、アンダーラインが引いてありますが、我々として、何ら分かっている話ではないわけであります。

 

Q13.万一特定するとしたら、その目的、根拠を科学的な見地に基づいて説明してもらいたいこと。また、生物の自然環境への影響、「生物多様性重視か?」、「人の生活重視か?」を明確にしてもらいたい。また、生物多様性において、経済効果は禁句でしょうが、社会性・経済性なくして語れない現状をどのように考えておられますか。

 

A.「生物多様性重視か?」、「人の生活重視か?」という事は、基本方針で言うと配慮事項の所に書いてあるのですが、やっぱり被害が有ると或いは恐れがあると言う事でやらなければならない場合は、そこについては法律の目的を達成できる、生物多様性保全等を第一に考えなければならないけれど、現象として色々な社会経済面の目的は当然考慮して行きましょうと言う事になります。ソフトランデイングかどうかということの議論に似ているのですが、全く今、やっていることについてある日革命的に激変で、突然駄目と言う事が本当に出来るのかと言う議論は当然有ると思います。

 

Q14.東京で行われた説明会においては、法律施行前に特定外来生物として指定された種に対しても、来年4月施行後に指定種から外れる、つまり見直しが行われる、との説明がありました。逆に、法律施行後に新たに加えられる特定外来生物種が出てくる可能性もあるとの説明でした。これらは具体的にどのように進められていく予定でしょうか?

 

A. 説明会で指定種について見直しがされるのかどうかと言う事について、先程説明をしていると思うのですが、指定自体は随時やると、必要が有るかどうかでやっていきますし、必要が無くなったと言う事がはっきりするのであれば当然それは見直して外すこともあると言うことです。これは来年春から動き出すわけですけれど、一番最初に指定されたやつだけと言う訳でなく、これは第一陣と見てもらった方が良くて、その後必要性があれば、順次追加しますし、当然未判定生物から特定外来生物に指定されるものもその後出てきます。追加されると言うのがこの考え方です。逆に実態に即して見直しも有ると言う訳です。

 

Q15.『キャッチ&リリース禁止』=あいまいな言葉の意味することは何でしょう?『釣った魚は個人の責任において殺しなさい』ということなのです。殺すことを義務づけ法制化することは賛成、反対を論ずる前に絶対に許されることではありません。生物多様性を論じる人でもこれはおかしいことではないでしょうか。

『キャッチ&リリース禁止』の意味に関して、明確な回答を出せるのでしょうか。なぜなら、きちんとした科学的な根拠がないまま、特定外来種に指定して、『キャッチ&リリース禁止』すなわち、むやみに生物を殺す法律を世界で始めて作るかもしれないからです。

 

A. 前述の通り、今回の法律では、キャッチアンドリリースは規制の対象にはなっておりませんので、ご心配ありません。

 

Q16.外来生物が移入され、固有の生物に影響(悪・良)を及ぼさないことはあり得ません。それぞれ、固有生物であれ、外来生物であれ、生物は互いに影響を及ぼしながら、生態系を維持しています。ある水域において必要以上に増殖したなら、科学的根拠に基づいて間引きする方法もあります。いきなり根絶に走る必要はありません。ブラックバスとて重要な資源です。生き物なのです。それをSARSウィルス菌と同等に考えられているとしたら、環境省の方向性が誤っていると思います。この問題は責任転嫁しないで、現実を見ながら論ずる必要があります。農薬の問題等環境汚染の問題を棚上げして、「めだか」や「やご」がバスに食われて絶滅の危機だとか、問題をすり替えて面白おかしく行政までもが、信じているようですが、この問題の大きな落とし穴が『環境汚染』ではないでしょうか。

 

A.ある水域において必要以上に増殖したなら、科学的根拠に基づいて間引きする方法もあります。いきなり根絶に走る必要はありません。と言う話です。これは防除の所でお話をしました様に、その場所の状況に応じて、防除の自主計画と言うものを作って、目標をどう考えるのかと言うことで、それが地域状況あるいはそこの他の生物の状況を含めてそこを良く見て考えるべきだと思います。完全に排除すべきだと言う所も有るかも知れませんし、一定程度数が抑えられていれば良いのだと言う所もあるかもしれません。そこは地域の個々の場所でどう見ていくかというのはなかなか一律では言い難いところが有ると思います。

農薬の問題等環境汚染の問題を棚上げしているのはすり替えではないかと言う事は勿論環境汚染問題をちゃんとやると言う事は非常に大事な話でありまして、そこを疎かにして良いという事ではありません。それもやらなければならないけれど、新たな問題でそこはそこでちゃんとやる仕組みが必要だと思います。

 

Q17.国策により目的を持って意図的に生物が移入され、しかも概ねその目的どおりに有効活用され、多くの移入生物の中でも国民に親しまれ、経済効果をもたらしているブラックバスが、まだ決定はされておりませんが、特定生物に指定されようとしていると聞いています。

日本の固有種を絶滅に追いやるとか、生態系を撹乱する等の理由で日本各地のブラックバスを排除しようという動きがでています。しかし、戦前から移入され、現在まで80年もの間、ブラックバスのみの影響で絶滅した生物がいるのでしょうか?

 

A.戦前から移入され、現在まで80年もの間、ブラックバスのみの影響で絶滅した生物がいるのでしょうか?言うことです。勿論ブラックバスのみの影響かどうかと言う事で言えば、ブラックバスだけと断言するのは非常に難しい話だと思います。かといってブラックバスが80年前とここ20〜30年で状況が全然違っている訳です。非常に広がってしまったという問題が片方にはある。尚且つブラックバスのみではないにしろ、第一、第二、第三という色々な影響が複合している中の一つの要因としてやっぱり脅威として捉えられているのも事実だと認識しています。

 

Q18.特定外来生物として特定するべきは非意図的に何かに混入してきた生物で人間主体に考えるなら、人間に対して直接、間接的に重大な影響を及ぼす(もちろん科学的な根拠に基づいて)、ことが明確に立証できる生物に限定すべきです。例えばセアカゴケグモ、ウリミバエ等のようなものから特定するべきではないでしょうか。

明確な説明ができないもの、十分な調査ができていないものは今すぐ急いで特定するべきではないと思います。

 

Q19.日本の自然は、農業林業漁業のみに利用されているわけではなく、観光やレジャー(もちろん釣りも)等、他の産業にも広く、同レベルの社会的重要性をもって活用されています。

  外来種の中にもオオクチバスなど、一部の湖沼では魚種認定され、それを取り巻く産業に携わる人間、楽しむ人間も膨大な数にのぼり、経済面のみならず、青少年が自然と触れ合うひとつのツールとして活用されるなど、社会的に有用種と言える面もあります。

  農林水産業への経済的影響を考慮した部分もあるとすれば、そういった面も同等に考慮されなければ、公正とはいえないのではないでしょうか。

 

[上記の18、19の質問の回答]

A.日本の自然利用というのは、農業林業漁業のみだけに利用されているわけではなく、観光やレジャー(もちろん釣りも)等、他の産業にも広く利用されるのも重要ではないかと言う事ですが、おっしゃる通りであります。環境省は例えば自然との触れ合いと言うのを、政策の柱の一つとしております。自然にふれあって利用すると言うタイプのレジャーは、極めて重要な要素だと思っています。環境省は、財団法人日本釣振興会の主務官庁の一つでもあります。自然とのふれあいと言う観点からですけれど。そこを我々として否定するものでは全くない。釣り自体をしてはいけないと言う議論をしている訳ではない。ある場所に被害があるのをどう抑えるか、現状として釣りは釣りとしてやっていくのは、どんな形であれ釣りをしてはいけないということではない。現状にある問題を起こさない仕組みを、どう作るかと言うところを仕分けして考えていかなければならないと思っております。

 

Q20.特定外来生物を政令で定める際には「生物の性質に関し」専門の学識経験を有する者の意見を聞くとあるが、その際には性質のみならず、「社会的活用度」についても、利用している関係者の意見を聞き、ふたつの事項が同等に斟酌されるべきだと考える。その他にも、幅広い関係者が存在していると思うが、国(環境省)の現在の基本的な考え方を確認しておきたい。

 

A.「社会的活用度」についても関係者の意見を聞き、ふたつの事項が同等に斟酌されるべきと言うのは、色々な意見はお聞きしなければならないし、専門家会合の際も、利用者サイドの意見を入れて行くと言うことは当然やる話になっています。

 

Q21.全国一律に完全駆除を目指す場合、その「コストと現実性」が問題となる。人の生命に影響を与えたりするような事例なら別だが、そうでない場合、そこまで徹底する必要性と緊急性があるとも思えない。また、ブラックバスの例をみても、その種の地域毎の活用状況を考慮すべきで、全国一律駆除には、明らかになじまない例もあるのではないでしょうか。

防徐とは、どのレベルを基本として考えているのか。全国的な完全駆除か、それとも影響のあったとされるエリアに限っての駆除か。それとも影響のないレベルまで間引くということか教えてほしい。

 

A.  全国一律に完全駆除を目指す場合と言う所ですが、ここは現実的に全国一律に完全駆除がはたして出来るのですかと言う事は、はっきり言って不可能な訳です。そういう意味で防除の計画の作り方、優先順位の付け方というのが重要だと思っています。これはバスだけでなくもっと悩ましいのはアライグマで、理想論で完全駆除と言う話が出てくるのですが、我々としては、地域地域で本当に良い取り組みの仕方を旨く作って行く方がもっと大事だろうと思っています。完全駆除を目指しているのはマングースで、これは奄美大島という割と限られた島で、象徴的なものでもあります。ある程度実現の可能性が有ると我々が踏んでいるのがマングースです。それ以外全国に蔓延しているものについては現実的には完全駆除は非常に難しいと思っています。そういう意味では地域毎の状況を見るということは一つのポイントだろうとは思います。

 

Q22.バスフィッシングの日本での歴史も古く、もはや文化・国民的スポーツとさえ言える。諸外国を見た場合、例えば米国でもメジャーなレクリェーション、またプロスポーツとして子供〜老人まで広く愛される(魚)であり、それに憧れて参戦し優勝の栄誉に輝く日本人も、昨今あらわれ始めた。 まるで野球界で言うイチロー・マツイや、ある意味アテネオリンピックの日本人メダリストの様に「夢を実現する日本人」として、世界で活躍してくれている。

 バスが害魚(悪)と認定された場合、その文化・スポーツに好意を持ち、それを喜び・生きがいとしている多くの国民への影響度は大きい。 そういった影響度についても国(環境省)の現在の基本的な考え方を確認したいと思います。

 

A. バスの文化・国民的スポーツ面での話しが次の質問だと思いますが、勿論そう言う利用がされていて、ある程度広がりがあるというのは、当然あると思います。そこ自体を、うんぬんかんぬんと言うことでは無いわけです。あくまで問題がある、被害が有るということについて、どういう形で対処したら良いですかと言う事の方が、メインのポイントでありまして、スポーツ利用自体をどうしようと言う事ではないと思っています。ただ、それに対して、すごくマイナスイメージが出るのではないかと言う心配をされていると言う所についても、理解しているつもりです。アメリカ流のやり方を日本でどうこなして行くかと言う時に、勿論これは元々アメリカに居た魚なわけですから、日本と条件が違う訳なので、そこで日本的な見方をしっかり一度考えた方が良いのではと思います。

 

Q23.ブラックバスが一番大きな問題視されるのは、おそらくその魚食性にあると考えられますが、他の外来生物、もしくは在来魚種でも、ブラックバスと同程度の魚食性があることはご存知だと思います。取り立てブラックバスのみがマスメディアや水産行政で問題視される背景は、エキセントリックなまでの害魚論に起因するところがあり、公平な判断がされにくい状況下にあると感じますが、どのようにお考えですか。

 

A. ブラックバス以外にも魚食性の魚は居るではないかと言うのもおっしゃる通りです。まさに、生態系プロセスというのが一つのポイントになるんだろうと思います。エキセントリックな害魚論については、暗にマスコミの方も来ているので、マスコミの一方的な議論が有るのではないかと言う話については我々も心配しています。ある意味面白可笑しく対立点を煽る様な話と言うのは、往々にして有る訳でありまして、少なくともそういう所でものが全て動いていく事が有ってはいけないと言う事はおっしゃる通りです。かと言ってエキセントリックな状況を加速するような事を反対の立場に居る人もやらないで頂きたいと言う気持ちは持っています。ここは一番言いたい所なのですが、意見対立をよくよく分析して見ていくと、共通土俵と言うものは有る訳で、皆一致出来るとこ、一致出来ないとこも有る訳ですが、少なくとも相手の言っている事を理解した上で、やるべき所は一緒になってやって行くことが、第一でありまして、そこが見えないとエキセントリックに、マスコミなんか、特に面白く書いてしまうと言う傾向が有るのではないかと思います。それは非常に心配をしていると言うか、そういう風になって対立構造がより深まってしまえば、ますます同じ方向に行ってしまうと言うことを私は心配しています。西洋マルハナバチと言うのは、そういう意味ではなかなか面白い取り組みだと思うのは、ハチを輸入している業者自体がネットを張らない農家には売らないぞと言う事を言い出しています。つまり、問題だと言われるのであれば、問題を起こさない様に自ら行動を起こそうという動きがすでにおこっている。それだけで物事が解決するかどうかは別なのですが、そういう動きが出る事自体が、明るい兆しだと思う訳です。そっちの方は農家の方は理解している方が極わずかなのですが、自ら一生懸命やろうという人が出てきて、かといってまだまだ大多数の人は何でと言う、まだまだ理解がされていないと言う点があります。少なくとも本当の利用の中心となる人達が問題解決をしなくてはいけないと言うことで、具体的な動きをしていけば、必ず良い方向転がっていくはずだと、私としては思っています。

 

Q24.これまで数年間、水産庁や環境省との話し合いの中で、両省のご担当者双方から、「ブラックバスを含む魚類に対しては、全国の生息実態は把握していない」「自然界における外来魚と在来種の影響度合いの科学的データはほとんどない」「ブラックバスの繁殖性についての知見は水産庁には無い」「ブラックバスの繁殖力が強いか弱いかの知見は無い」など発言されておりました。しかし最近になって急変し、環境省側からは科学的データは充分にあると言われております。

 これは、短期間で新たに科学的データが収集されたということなのでしょうか。あるいは、元々あったものを整理したということなのでしょうか。自然界の生物に対する科学的データが、短期間の内に大量に集められる事は、通常考えられないのではないでしょうか。

 「ブラックバス・ブルーギルが在来生物群衆及び生態系に与える影響と対策調査」についても、仔細に拝見させて頂きましたが、オオクチバス・コクチバスの各都道府県における生息推移や皇居のかい掘り調査の情報開示など、一連の報告事項について、環境省では殆ど検証されていないとお聞きしておりますが、かなりの部分で信憑性に問題があると思われます。

そのあたりの環境省のお考えをお聞かせください。

 

A.科学的データの議論で、短期間でデータが収集されたのかどうかと言う事ですが、基本的には、元々バスに係る文献は実は相当有るのだと思います。ただ完全に解明出来るかと言うと、それは無理だと思っています。色んな各地の知見、或いは外国の知見を含めて、少なくてもある程度の整理と言うのは出来るのではないかというのが私の考え方になります。そういう中で少なくとも共通の認識というものが、有る程度出来るのではないかと思っています。

 

Q25.内水面漁業者への補助金等、補償があるように、ブラックバスは国家レベルで意図的に移入され、有効利用され数十年の長い歴史があります。ブラックバスを有効利用してきた業界団体、釣り人等はその目的(レクリエーション等)通りに利用してきた既得権があるはずです。それを明確な説明なくして法律で防除しようものなら、国はその補償をどのように考えますか?

 

A. 業界団体、釣り人の既得権、あるいは補償という議論のところですが、既得権が20年位有ると言う事になりますと、ある程度法律上認められる可能性は有ると思います。ただ別の言い方をすると、既得権は既得権なのだけれど既成事実みたいな議論があって、そこを注意してやらないとそもそも法的権利うんぬんと言う議論を言い出したらなかなか難しい所がある訳です。漁業権が設定されているとか言うのは全く別だと思いますが。我々としては勿論社会経済的影響は考慮すると言っているのは、今現状でどうなっているのかと言う事を全く無視して話をする気は無いのでありまして、そこで勿論考える訳です。ただ他方で被害があると言う話にどうやって対処するのかということで、それをセットにして考えないと、片方だけでは議論が出来ないのではないかと言う風に思います。

 

Q26.固有生物と外来生物との「偏見」・「差別」についてどう考えていますか?

戦後の60年で日本はもとより、世界的に生物の住環境は急激に変化(交通網の発達、人の移動手段の拡大、人の移動範囲・移動人口の拡大、経済発展の影響、環境汚染の広がり、輸送の発展、地球温暖化等)しました。本来なら、数百年、数千年を費やしてゆっくりと変化してきた生物の進化、生態系、遺伝的変化等も上記のような理由で、今の時代は過去の歴史の中では考えも及ばないほどのスピードで変化しました。過去の歴史と比較していませんか?

 

A. 固有生物と外来生物との「偏見」・「差別」についての話ですが、「偏見」・「差別」確かに単純に、よそ者は悪いものという偏見的な言い方になるのは、良くないことだと思います。制度作りの中で、特に外来生物は兎に角駄目だと主張している方も居る訳ですが、我々としてはそうではなくて、問題のあることに対処するのだと、外来だから悪いのではなく、国際的に侵略的な外来種と言われるものだから、そこを確り管理する為の対処が必要なのですよということを言っているつもりです。あくまで目的は、例えば生物多様性保全あるいは農水産物の被害防止などがあり、それを行うための必要な人間として対処しましょうと言うことで、生き物が悪いと言うよりはそれを持って来た人間の行為自体のところを、確りとコントロール出来ていないというか、ある意味で言うと、分からない所がいっぱい有ったので、元々最初に持ち込んだ時にそこが分からなかったではないかと、今から責めても如何しようが無い訳です。同じ過ちはしない様にしようと言うわけでもあります。なるべく問題が無いような形で事前に出来れば勿論良い訳で、それはこれから新たに来る物については、それをチェックしましょうと言うことが仕組み上出来たわけです。今既に来ているものについて言えば、誰が悪いかと言う事をあまり追いかけても、あまり意味がないことだと私自身は思っています。むしろそういう前提で、何を今やることが本当の問題解決に繋がるのかと言う事を、一方的な議論でやってはいけないと思いますので、正に色々な立場の意見を踏まえて、それをうまく社会としてきちんと皆がやれるルールとして、やって行くのが一番大事な話だと思います。

 

以上で全部は応えきれていないと思いますが、必要事項はお答えしたと思います。

以上

 

滋賀県フィッシングボート共同組合員

樋上 佳秀

 

※注 上記の図又は資料はリンクしておりません。御了承下さい。

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